備忘録という名の壁打ち

光くんの毎日が幸せに満ちていますように。

ジョセフ

恥ずかしながら、この歳にして人生で初めてのミュージカルを観劇してきた。

観劇したのは薮宏太主演「ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート」だ。

端的に言うと、最高の時間を過ごしてきた。

序盤から終盤まで、ジョセフの世界に引き込まれっぱなしだった。

この気持ちを冷めやらぬ興奮のままに、書き残して置こうと思う。

※下記、ネタバレを含む為、閲覧される方はご注意ください。

 

★ミュージカル前半について

あらすじ

ジェイコブに溺愛されていた為、兄弟たちの反感を買ってしまったジョセフ。そんな彼は兄弟たちの罠に嵌められて、身売りに出されてしまう。新たな土地で再スタートして持ち前の真面目さや愛嬌のおかげで出世するも、誤解によって牢獄へ。どん底に落ちたジョセフは再び立ち上がれるのか…?

 

ストーリーについて

ジョセフが気の毒だ…と思いつつ、兄弟たちの気持ちもわかる。これに関してはジェイコブが完全に悪い。そもそもの元凶である。兄弟達にもそこまでするかと思ってしまったが…。これは余談だが、箱に押し込められる時の薮くんの表情がウルトラかわいいのでぜひご注目いただきたい。

身売りに出された後も、持ち前の真面目さで順調に出世したジョセフ。芋洗坂係長演じるポティファーとのやり取りも見ていて楽しかった。しかし、ポティファーの妻のせいで、せっかく出世したにも関わらずまたどん底へ。彼自身は新しい環境で真面目に頑張っていたのに、なぜこんなに悪いことが起こるのか…と勝手にムッとしてしまった。ちなみにこのあたりのストーリー中、薮くんのシャツがはだけちゃう。思わずあわあわしてしまった。露出!だめ!でてる!!

 

ストーリー外の感想①

まず子供たちと、ナレーター役の平野綾が登場した。このミュージカルは私にどんな世界を見せてくれるんだろう?とどきどきさせてくれるような掴みだった。

平野綾といえば涼宮ハルヒ泉こなたなどのイメージが強く、どのようにミュージカルに関わってくるのだろうとわくわくしていた。そんな気持ちを良い意味で裏切るような、会場に響き渡る彼女の歌声に、一瞬にしてジョセフの世界に引き込まれた。

そして薮宏太の登場。ふにゃりとした笑顔がたまらない。身体に染み渡るようなほんのりとやさしい歌声であったし、仕草から表情まで全てが大変かわいらしかった。白の衣装がより清純な印象を与えてくれる。

あの薮宏太を生で見て、歌声を聞いて、演技をみている。そんな実感がじわじわと湧いてきて、薮くんの登場から数分で既にじんわりと涙がうかんだし、前半終了時には普通に泣いていた。

 

★ミュージカル後半について

あらすじ

後半は牢獄のシーンから。牢獄の中で絶望しながらも、「夢を読み解く能力」のおかげでなんとファラオの元へ連れていかれるジョセフ。ファラオの夢を読み解き、国で2番目の地位に着く。そんな所に、かつて自分を罠に嵌めた兄弟たちがやってくる。そんな彼らにジョセフはどのような対処をするのか…。

 

ストーリーについて

ファラオの夢を読み解き、なんとジョセフは国で2番目の地位に!このシーンの楽曲は、客席から手拍子が起こるなど、観劇客も巻き込んだ一曲となっている。自分もこの物語に参加出来たようでなんだか嬉しくなってしまった。演出も面白く、ミュージカルって楽しい!と強く感じた。2番目の地位についたこともあり、衣装も新たに。薮くんの髪色との相性に、あー…それすき…とまた語彙力を失ってしまった。ヒラリと翻る背中の鮮やかな緑の布が美しかった。

そんな最中、自分を見捨てた兄弟たちと再開するジョセフ。逆に罠をしかけて末の弟を処刑しようとした彼だったが、末の弟の代わりに自分たちを!と懇願する兄たちに心打たれ、兄弟達を許して抱きしめた。感動的な場面ではあるが…失ってから気付く事だってあるだろうが、この優しさを!ジョセフの時にも…!!と思ってしまったのは許してほしい。

そして最後はジョセフがジェイコブの元へ。長い間離れていた2人の再会に胸が熱くなった。ジョセフがここに戻ってくることができて良かった、こんなに遠回りや苦労をしてよく頑張った、本当によかった!と、ここでもうるうるしてしまった。

 

ストーリー外の感想②

とにかく楽しい曲が多かった。客席から手拍子が起こり、身体が自然と揺れてしまうような曲ばかりだった。

個人的に1番楽しいと感じたのは、ジョセフへファラオの見る夢を伝えていた楽曲。小西遼生演じるファラオの歌声の迫力に圧倒される1曲だったし、こんな曲調もあるのか!?なんだこのミラーボールは!?という驚きの連続で非常に楽しかった。

そしてジョセフの歌だ。薮くんと言えばふにゃんとした可愛らしい印象だったが、これが帝王薮様か…!そう実感する圧巻の表情と歌声だった。こんな武器も隠し持っていたのか…!と。序盤中盤との歌声の差に鳥肌が止まらなかった。ここでより一層、もう一度見たい!最高!!という気持ちが高まった。

こんな帝王ぶりを見せつけたあと、別のシーンでは可愛らしいふにゃりとした笑顔も見せてくれたし、カーテンコールでは大きくお手振りする姿も見せてくれた。大変可愛らしく、爆発しそうだった。薮くん、君はギャップの魔術師なのかい?最高オブ最高!今はそんな語彙力が溶けた言葉しか出てこない。そのくらい最高に可愛かった。

実は大山真志の演技も楽しみに見に行ったのだが、少しではあったが彼のソロパートも見ることが出来た。テニミュやブリミュで見た彼を、彼の歌を生で見られたことに感動した。

 

ストーリー外の感想③

最後に、ミュージカル全体を通しての感想を少し書かせてもらおうと思う。

まず、私の人生初のミュージカル観劇となった今作だが、この作品が私の初めてで本当によかったと思っている。最初から最後まで楽しいの連続だった。とてつもなく幸福な時間を過ごした、最高だった、そんな言葉しか出てこないほどの感動を得ることができた。観劇後は楽しくさと幸福感でため息しかでないくらいだった。許されるならば何度でもみたい、そんな風に感じてしまう、最高のミュージカルだった。

それから、このご時世にマッチしたストーリーだった。どんな困難な状況に陥ろうと、いつか報われる、救われる時がくる。そんな希望を与えてくれる作品だった。今、コロナで世の中が落ち込んでいるが、この苦労がいつか報われる時がくるのだろうと。そのような希望を抱かせてくれるメッセージが詰まっていたように感じる。また、私自身は定期的に気分がどん底に落ちるのだが、このミュージカルに元気やパワーを与えてもらえた。今は辛くてもいつか苦労が報われる時がやってくるはずだし、前向きに頑張ろうと思わせてくれる、そんな作品だった。

目がもっと欲しい!とも感じさせる作品でもあった。端から端まで引きでみたい、でも薮くんの表情もみたい!そんな葛藤がありつつの観劇だった。ぜひ円盤化をお願いしたい。何度でも見たいし、引きで全体も見てみたい。目が沢山あれば…!と妖怪のようなことをこんなに思ったのは初めてだった。

本当に素敵な時間と思い出をありがとう。とてつもなく幸せな時間だったし、生きていてよかった、今日本当に強くそう思った。